人づくり・匠づくりを経営理念に住まいづくりを支えるプロ藤原陽吉（ふじはら　ようきち）株式会社藤原技研工業　代表取締役会長

左官を育て、安全で快適な暮らしを支える「技」と「知識」

神社仏閣から商業ビル、住宅、店舗、タイル工事、土木基礎など施工。
左官はもとより、建築、リフォーム、土木、不動産業も手掛ける。

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取材記事

『人づくり・匠づくり』を経営理念に

１９６８（昭和43）年に左官工事業「藤原工業所」を創業して50年余り。創業以来『人づくり・匠づくり』を経営理念に、従業員との相互信頼を礎とし、人や社会とのつながりを大切に、常に技術研さんを続けてきた松江市八幡町、株式会社藤原技研工業の代表取締役会長藤原陽吉さん。

「左官になって家計や家族を助けよう」。訓練校を修了し、16歳から４年間、松江市内の親方のもとで懸命に修行しました。「何の技術でもいいから１番になる」という強い決心がありました。見習いを終え、無給での半年間の御礼奉公が明けた４日後の１９６８年８月17日、社員４人とともに藤原工業所を創業。手元には生活費も含めて、１万９８００円の現金しかありませんでした。

多くの若者を自宅で預かり、家族の一員として礼儀、作法、技能を教えてきた藤原さん。一度は道を踏み外した若者や、行き場を無くした若者も寛大な親心で迎え入れてきました。「時間が少々かかっても、ゆっくり、じっくり、指導し続ける」。良き先輩や仲間と一緒に“藤原流”の指導は今後も変わらず続いていきます。

『看板の前に人づくり、技づくり』を信条に、社員の技能向上や資格取得に精力的に取り組み。毎年のように技能五輪全国大会などで表彰され、１９９１（平成３）年には金メダルを取って日本代表として世界大会にも出場しました。現在は約80人の社員らが働き、１・２級左官技能士35人をはじめ、職業訓練指導員、１級の建築士・建築施工管理技士・土木施工管理技士など、“藤原流”で育った多くの有資格者が活躍しています。

現在は、神社仏閣から商業ビル、住宅、店舗、タイル工事、土木基礎など施工。左官はもとより、建築、リフォーム、土木、不動産業も手掛けています。創業50周年を機に、代表取締役会長に就いた藤原さん。今後については「新たな成長基盤をつくる機会とするとともに、当社の伝統を後世に伝えていくことで、お客さまや地域の皆さまから信頼いただけるよう努力していきます」と抱負。

日本の気候には、漆喰（しっくい）や珪藻（けいそう）土を使用した壁がふさわしく、健康にも良く、火事や地震にも強い、３代１００年は持つ技術です。「若い方にはこの本物の魅力を知っていただき、左官の技能をぜひ伝承してもらいたいですね」。創業時からの経営理念『人づくり・匠づくり』は今も変わることなく続きます。

個人プロフィール

経歴、実績: ・日本左官中国ブロック会　（元）島根県代表理事
・島根県左官工業協同組合　（元）専務理事
・松江左官同業組合　（元）組合長第７代
・島根県立東部高等技術校ハウスアート科部会　運営協議会運営委員

企業プロフィール

沿革: 1968年8月　藤原工業所創業
1991年3月　有限会社藤原技研工業設立
2003年6月　株式会社藤原技研工業に組織変更
2018年8月　創業50周年、代表取締役会長に就任
関連会社: ・朝日生コンクリート工業株式会社　代表取締役社長
・農業法人株式会社ライフサポート　取締役会長
・長寿の里社会福祉法人　陽恵福祉会　理事長
（グループホーム陽恵苑、ディサービス陽恵苑、特別養護老人ホーム陽溜の郷、居宅支援事業所絆）
・株式会社サン・リンク　代表取締役会長
（グループホームこころ、サービス付き高齢者向け住宅あんじょ、訪問介護まちびと、訪問看護ひなた）
所属団体: ・一般社団法人　松江商工会議所　会員
・島根県経営者協会　会員
・一般社団法人　島根県住まいづくり協会　準会員
・島根県左官工業協同組合　組合員
・松江左官同業組合　組合員
・島根県就労支援事業者機構　三種会員
・松江地区更生保護協力雇用主会　会員
・プラス会一人親方労災保険加入組合　設立事業所
・公益社団法人　全日本不動産協会
・公益社団法人　不動産保証協会
社員有資格者: 職業訓練指導員５人、１級建築士２人、１級建築施工管理技士１人、１級土木施工管理技士３人、１・２級左官技能士35人、１級タイル張り技能士２人ほか