自然体になれる宿で癒しの滞在をサポートするプロ石飛成夏(いしとびはるか) はたご小田温泉 女将
人材育成、信頼関係第一に
創業101年目となる老舗旅館の女将として、旅館全体を切り盛りしています。居心地のよい空間づくりと自分の「好き」や「楽しい」を両立させるオンリーワンの宿づくりを着々と進めています。2017年9月に代替わりし、4代目女将に就任。なつかしの田舎の家に帰って来たような、自然に肩の力がぬけてくつろげる・・・お客様にとってそんな宿でありたいと考えています。
取材記事
石飛成夏さんは出雲高校を卒業後、龍谷大学(京都府)に進学。大学卒業後は京都府や東京都内のデパート勤務を経て、家業の「はたご小田温泉」にUターン就職、2017年9月、4代目女将に就任しました。
はたご小田温泉は創業101年目、料亭(茶寮清泉亭)が1977(昭和52)年築、旅館棟は大正からの建物を1988(昭和63)年に全面改築しています。いずれも全館木造で、旅館棟は現代数寄屋造り。檜の床はワックスをかけず、当初重ね塗りをした柿渋が40年を経てよい艶を出しています。その質感を楽しんでもらうため、あえてスリッパは置かず、館内では裸足をおすすめ。料理は創作会席が中心で、3代目主人考案の「名物鮎めし」「うにめし」も提供。地の食材を中心に四季折々の風情を楽しみつつ、調理法や調味料にこだわり、体が喜ぶ料理を第一義とし、「発酵や上質の調味料による素材の味を生かす丁寧な料理」として好評を得ています。 日々の「おもてなし」の工夫点について石飛さんは、お客様をとびきりの笑顔でお迎えすることと「親切であれ」という大女将の言葉を忘れないよう常に心掛けています。それがお客様との信頼関係を築く第一歩と考えています。宿のこだわりとして、体に良い食事・環境・本物・目に見えないもの・感謝の気持ちを大切にしています。大変な点については、まだまだ人間修業が足りず、お客様のご要望をうまくキャッチできないことがあります。「いろいろな方がいらっしゃるなあ」と日々勉強中です。また、当館独自のこだわりが押し付けにならないよう、客観性を持つよう心掛けることが大事で、かつ、大変であると実感しています。また、仕事のやりがいについては「この宿・空間が大好きというお客様の心からのお言葉を直接聞かせていただけること」です。コロナ禍があり、この仕事が続けられるだろうかと悩む日々の中で、「お客様からの愛情のこもったお言葉に、本当に多くの励ましや元気をいただきました。人と人との心の繋がりこそが一番の心の糧になるという確信を得て、これからの宿づくりの大きな礎となっています」と話します。 今後は人材確保と育成が課題となります。採用面では経験や技能よりも、館内でお客様と対した時に「お客様が良しと感じていただけるかどうか」を重視。育成面では、ひとりひとりの様子を見ながら、日々の会話や交流で個別のケアに努めています。基本的に仕事の基礎を説明してからは、あまり細かな指示を出さず、任せるように。良い方に転がれば、一緒に喜び、悪い方へ転がれば、一緒に解決。「責任は女将が持つから、どんとやってこい!」というつもりで送り出しているとのこと。「とにもかくにも信頼関係を一番大切にしています」と女将さんは話します。目下、大きな課題は働き方改革。従業員数を増やし、全員が好きな時に休みがとれるよう楽にシフトが組めるようになることを目指します。
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個人プロフィール
- 経歴
- ・1994年3月 島根県立出雲高等学校卒業
・1998年3月 龍谷大学文学部哲学科卒業
・2006年4月 小田温泉に入社 若女将就任
・2017年9月、はたご小田温泉4代目女将に就任
- 趣味
- ・読書(純文学から漫画まで)
・ピアノ演奏
・映画、音楽鑑賞
企業プロフィール
- 沿革
- ・1922(大正11)年 創業
・1978年 茶寮清泉亭 オープン
・2021年 創業100年を迎える
連絡先
※「『建設興業タイムス』を見た」、または「『しまプロ』を見た」とお伝えください。
- 住所
- 〒699-0903 出雲市多伎町小田208-3
- 電話番号
- 0853-86-2016
- 営業時間
- 宿泊は 16:00~10:00 昼食:11:00~15:00(LO 13:30) 夕食:17:00~21:00 (LO 19:00)
- 定休日
- 毎週水曜日
- ホームページ
- http://www.odaonsen.jp